小笠原諸島(千尋岩・乳房山・小富士)

山行日:2023年3月14~19日

参加人数:男性1名 女性1名

報告:

東京都小笠原村は東京から1000km離れた海洋島、おがさわら丸24時間乗船が唯一の交通期間です。
小笠原の固有種、絶滅危惧ヒロベソカタマイマイが、世界遺産登録の大きな要因ですが、絶景の島として人気があります。
3月14日~19日「小笠原諸島を歩く6日間」ツアーに参加、8名の参加者と世界遺産の島を歩きました。
絶滅危惧種や固有種が保護され、認定ガイド付き者のみ入山可能となります。登山口では靴底の洗浄、人数確認も実施しています。
14日11時竹芝桟橋出発、15日父島二見港11時着、小船に乗換え30分程乗船して南島へ上陸しました。1日100人限定の入島、断崖の船着き場に接岸、潮流などの条件により上陸が出来ない日もあるそうです。20分程で小笠原一番人気の岩がアーチ型にくり抜かれたボニンブルの扇池へと着きました。白浜には千年以上昔のカタツムリの化石が散乱、5月頃は海鳥やウミガメの産卵地となるそうです。2時間程滞在して父島へ戻りましたが海上にはホエールウォッチングの白波が大きく揺れ、雨具を着込み対応しました。
父島の赤色ハート型の岩礁のハートロックも美しく望め、明日に期待が膨らみました。
16日快晴、千尋岩登山口で入山準備を整え出発、亜熱帯植物が生い茂り、ガジュマルが行くてを阻む森、戦争痕跡が点在する登山道の先が断崖絶壁の赤土のハートロックでした。穏やかなボニンブルーに点在する小島を望むパノラマ、心地よい風と共に忘れられない絶景でした。
夜はナイトツアーで、固有種のオガサワラオオコウモリの生態観察へ出掛けました。
翌朝は、ははじま丸へ乗船、2時間で母島沖港へ到着、昼から小笠原最高峰の乳房山を目指しました。やはり亜熱帯植物が豊富ですが登山道は明確で歩き易く、山頂付近は鉄梯子や階段も多くありました。海に突き出す山頂撮影ポイントも植物に囲まれていました。
母島で1泊して最終日は都道最南端に位置する小富士を登りました。日本で初日の出が一番早く体験出来る場として年始にも人気のエリアだそうです。登山口で固有種ハハジマメグロに遭遇、同行者が奇跡の1枚を撮る事に成功し仲間から拍手が湧きました。龍の背の様に伸びた山頂からは360度の風景が広がり、天気に恵まれた幸運に感謝の思いでした。
当日に父島へ戻り、15時発のおがさわら丸へ乗船しました。港には大勢の見送りの人達が集まり、力強い「見送り太鼓」の音が鳴り響き、大きなドラの響きと共に出港、振り向くと大小の小船がおがさわ丸を追い越す勢いで近づき「行ってらっしゃい~」
「有難う~」各船からの連呼、船上で逆さになり足びれを付けた両足でパタパタとパフォーマンス、船上からダイビングして海上からシンクロの様に並んで大きく手を振る人達、小笠原名物の感動見送りは24時間乗船しても一度は見たい感動の体験でした。
「無人」を先住民の外国人が「ボニン」と聞き違えた事に由来する言葉が多いです。年間を通し楽しめますが、登山は夏を避けた方が良く、ホエールウォッチングを楽しむには3、4月頃、ウミガメ産卵は5月と貴重な体験が出来ます。
小笠原固有種にも運が良ければ遭遇、ウミガメが年間100頭捕獲出来るそうで人生初のウミガメの刺身も頂きました。世界遺産の島山旅、楽しい思い出がひとつ増えました。