式根島丸山

山行日:2025年12月5日~7日

参加人数:男性2名 女性2名

ルート:

コース:

1日目(歩行時間:7時間(休憩、入浴を含む):民宿かねやま→(泊神社)→泊海水浴場(0:30)→大浦海水浴場(0:20)→出逢い橋(0:10)→中の浦海水浴(0:20)→神引展望台(0:20)↔丸山(0:05)→唐人津城(0:20)(↔佐々木山)→御釜湾第一展望台(0:10)→遊歩道入口(0:10)→民宿かねやま(0:30)→湯加減の穴(0:10)→地鉈温泉(0:10)→温泉憩の家(0:15)→民宿かねやま(0:10)

2日目(歩行時間:2時間(休憩、足湯含む):民宿かねやま発→まいまいず井戸(0:10)→(与謝野晶子記念碑)→松が下雅湯(0:20)→足付温泉(0:05)→ぐんじ山展望台(0:25)→小の口公園(0:05)→(みやとら)民宿かねやま(0:20)⇒野伏港発11:25⇒竹芝桟橋19:00着⇒帰柏(21:00)

報告:

東海汽船の期間限定企画「スーパー島トクきっぷ」(往復6,000円)は格安。大型客船の2等和室に身を委ね、竹芝ターミナルを22時に出航した。夜の航海は穏やかで、翌朝、伊豆半島の彼方に思いのほか雪の少ない富士山の端正な姿を望みながら、9時過ぎに式根島・野伏港へ到着する。
港からは、漁師宿かねやま(民宿)の送迎で宿へ。身支度を整え、ハイキングに出る前に、宿のおかみに本日の目的地「丸山」について尋ねてみたが、「聞いたことがないですねえ」との返答だった。標高98.8m。島の最高峰ではなく、知られなくても無理はないのかもしれない。
式根島は外周約12km、人口はおよそ430人。過疎化の影響で空き家が目立つ。江戸時代までは新島と陸続きであったが、1703年(元禄16年)の元禄地震による大津波で分断された、という説が有力だという。現在も行政上は新島村の一部で、住所は「新島村式根島」となる。住居の受け入れ体制が整った新島では人口が増えているらしく、「うちはね……」と、島民は少し寂しげに語っていた。
黒潮に囲まれ、夜も気温が下がりにくい島には、ハイビスカスやブーゲンビリアが点在し、南国の趣がある。

1日目
10時20分、宿を出発。白い鳥居の泊神社を経て、強風でも波静かな泊海水浴場、大浦海水浴場へ。ここで昼食をとり、出会い橋の下から遊歩道に入る。中の浦海水浴場を経て、島随一の展望地・神引展望台へ向かった。
丸山は、崖と反対側に少し登った場所にあるが、案内は一切ない。そのため、知らずに通り過ぎてしまう旅人も、もしかすると島民も多いのではないだろうか。山頂には、1815年に伊能忠敬測量隊が設置した方角石(現在はレプリカ。原物は戦時中、陸軍の陣地構築のため持ち去られたという)があり、旧跡となっている。丸山は「しま山100選」にも選ばれているが、島の公式マップにも記載がない。もう少し観光資源として紹介されてもよいのでは、と感じた。
さらに遊歩道を進み唐人津城へ。「城」とあるが城跡ではなく、「人や魚が集まる場所」を意味する古語だという。板張りのテラスが設けられ、荒涼とした岩場の中に、確かに“集まれる場所”が生まれている。強風に抗いながら岩場を登ると、島の最高峰・佐々木山(109m)に到達。神津島が思いのほか近くに見えた。
暗くなる前に地鉈温泉に入るため、隅の井は割愛し、御釜湾第一展望台へ直行する。しかしこの展望台は樹木に視界を遮られ、遊歩道も草木が繁茂して歩きにくい。御釜湾は止め、直接、遊歩道入口まで戻り、住宅街を経て、15時20分、宿へ帰着した。整備不良と聞いていた遊歩道は、おそらく御釜湾周辺のことだろう。それ以外は快適だった。
宿から徒歩20分弱の地鉈温泉は、鉈で割ったような地形を下った海岸にある、まさに秘湯だ。満潮に近かったため、岩で囲まれた天然の湯船に海水が勢いよく流れ込む。湧き出る茶褐色の硫化鉄泉は高温で、かき混ぜても適温を保つのは難しい。帰りに温泉憩の家(同じ泉質)で体を洗い、茶褐色の沈殿を落としてから宿に戻った。
この日の夕食は金目鯛づくし。評判通り、質・量ともに申し分ない。島の焼酎「地鉈」(島内に醸造所はなく、原料を供給し、八丈島で醸造されている)も味わいながら、ゆっくりと楽しんだ。

2日目
本日も風は強いものの、晴天。歩行時間は約2時間。島の東南部にある松が下雅の湯、足付温泉を巡る。松が下雅の湯はパイプで引湯され、温度の異なる湯船が三つ。収容力があり、シャワー設備も整っていて使いやすい。足付温泉は、宿のおかみの言葉通り湯が枯れているようで、海水温だった。
その後は車道を歩いて、この日の最高地点・ぐんじ山へ。小の口公園に立ち寄り、フェリーで食べる弁当と酒を買い込み、野伏港送迎ぎりぎりの10時26分に宿へ戻った。
池村商店の揚げパンと、ファミリーマートみやとらの島のり弁にはありつけたが、同店名物のたたき丸は売り切れ。そこだけが小さな心残りではあったが、天候に恵まれ、静かな島の空気を存分に味わえた、満足度の高いハイキングと1泊3日の島旅となった。