甲斐駒ヶ岳

山行日:2023年2月14,15日

参加人数:男性単独

ルート:

コース:

1日目
尾白川渓谷駐車場06:36→06:42竹宇駒ヶ岳神社06:50→09:26笹の平分岐→11:30刃渡り→12:04刀利天狗→13:04五合目小屋跡→13:08屏風小屋跡13:20→15:09七丈小屋(泊)
2日目
七丈小屋06:18→07:53八合目御来迎場→09:38駒ヶ岳神社本宮→09:54甲斐駒ヶ岳09:56→09:59駒ヶ岳神社本宮→10:55八合目御来迎場→11:22七丈小屋12:01→12:51屏風小屋跡→12:57五合目小屋跡13:03→13:43刀利天狗13:49→14:04刃渡り→15:13笹の平分岐→16:52竹宇駒ヶ岳神社→17:00尾白川渓谷駐車場

報告:

日本三大急登である甲斐駒ヶ岳黒戸尾根は、累積標高差2480m、ルート長18.8kmのロングルート。北沢峠からの登頂はあるものの、厳冬期黒戸尾根は初めて。前日夜七丈小屋管理人に連絡してみると、強風と降雪でトレースは期待出来ず、山小屋宿泊者も貴方ひとりだけなので、小屋から山頂迄は単独膝上ラッセルする覚悟で挑んで下さいとの事。山頂迄実質3時間超えのラッセルを単独で踏破できるだろうか??一抹の不安に駆られる。
敗退覚悟の上、スタート地点の尾白川渓谷駐車場に乗りつけると、登山者と思われる車両が2台。一筋の希望が見えてきた。日中でも氷点下の為、登り始めから凍結路が其処ここに有り、油断は禁物。
道中には切り立った岩稜上から鎖が吊られ、鎖を頼りに身を乗り上げるコース取りがあり、踏み外せば数十メートル垂直落下しそうな山場が2ヶ所。僅かの距離ではあったが、安全第一にセルフビレイを取って登る。七丈小屋宿泊時の外気温は-12℃。夕食のハヤシライスとお味噌汁が五臓六腑に染み渡った。
翌朝は快晴!放射冷却にて頬を切り裂く様な気温ではあったが、風は微風。しかも先行者1名がトレースを付けてくれている。嬉しい誤算、有難く追わせて頂いた。山頂迄3時間40分もかかった。三千メートル近い高度により酸素不足の影響の為か息が上がるのが早く、中々スピードが上がらない。
登頂時は快晴微風、最高のコンディションに恵まれ、仙丈ヶ岳、北岳、富士山が一望できた。絶好の撮影タイムのはずが、あまりの気温の低さにスマホのバッテリーが落ちてしまった。深田久弥氏が甲斐駒ヶ岳黒戸尾根を「日本アルプスで一番きついルート」と評価した所以が、実際に登ってみて体験できた貴重な山行であった。