六甲全山縦走

山行日:2019年3月10日

参加人数:女性2名

ルート:

参加動機:
兵庫労山主催2019年3月10日開催の六甲全山縦走のパンフレットを見て、関門やゴールまでの時間制限(21時30分まで)があること、そしてなにより走ってはダメというルールに魅力を感じた。フルマラソンよりも長い46キロを制限時間内にゴールするって、いったいどんなに楽しいのか辛いのか??チャレンジしてみたい!!!とすぐに申込んだ。ひとりでは心細いので、娘と一緒に。
当日:
スタートは須磨浦公園駅から、5時30分から7時までのウェーブスタート(時間差スタート)。受付を済ませて5時50分にスタート。
天気は曇りであるが、いつ雨が降ってもおかしくない天気。前後に参加者がいるので地図を見ることなく、ベテランそうな参加者を見つけては見失わないように歩く。前半がキツいと聞いていた通り、摩耶山まではアップダウンが続く。須磨アルプスの馬の背では滑らないように慎重に慎重に、下を覗くとそのまま落ちてしまいそうでとても怖かった。歩き始めて4時間、菊水山で雨が降り始めてカッパを着ることになり、その後ゴールまでの9時間半脱ぐことは一度もなかった。
娘とは久しぶりの再会なので、楽しいおしゃべりでテンションも上がり、前を歩く参加者を次々追い抜いたのだが、結果それが後半のバテる原因を作ってしまったらしい。
スタートしてから21キロ、チェックポイントの大竜寺に着くころには本格的な雨となり、まだ半分も来ていないことに心が折れるも、オレンジジュースのサービスを受け、軽くストレッチをして気を取り直して出発。しかし、雨が強くなり、風も出てきて、おまけにガスってきた。何にも見えないじゃないか、見えるのは前を歩く参加者だけ。そのころから娘が遅れだし、口数も少なくなる。止まるとあっという間に体が冷えるので、疲れていても歩いていたほうがましである。
摩耶山まで頑張れば後は楽チンだって、もうちょっとだよ、明るく声掛けする母に娘は応答なし。やばい、リタイヤしたいなんて言われたらどうしようと心配になる。そんな時、10歳くらいの男の子に抜かされる。お父さんと参加しているらしく、その子は足を引きずりながらもお父さんと歩いている。その姿を見てからだろうか、ペースは上がらなかったが、しっかり前を向いて会話もするようになった、もう大丈夫。
摩耶山手前でいただいた暖かい紅茶が忘れられない。
六甲山での最後のチェックポイントを通過しヘッデンを装着。スタッフの方に後3時間だよ!頑張って!と言われるも後3時間もこの雨の中歩くのかと途方に暮れるが、前に進むしかない。靴も、襟元から入ってきた雨で服もびしょびしょ。暗くなり足元も良く見えないうえに、雨で道はドロドロ、気を抜くと滑って転んでしまいそうである。このころになると、会話をする人は誰もいない、みなゾンビのように下を向いてゾロゾロと歩く。ゴールすることだけを考え一歩一歩前に足を出す。
ゴールは宝塚駅から2キロ手前にある塩尾寺。お香の匂いをかすかに感じゴールが近いことがわかると娘が声を出して泣き出した、疲労とゴールできる安堵からであろう。19時30分ゴール、スタートから13時間半、長い一日が終わった。 泣いていた娘はいつの間にか笑顔になっていた。
あとがき:
全山縦走コースの参加申込者数は870名、完走率は、出走者ベースで79%とのこと。
無事完走して達成感に浸るとともに、自分の体力も確認できてよかった。今回は雨の中の歩行であったが、晴れた日にまた挑戦してみようと思う。